勤怠はシステムで集まるようになりました。それでも締め日になると、一覧を上から見て、おかしい行を探す作業が残っています。打刻漏れ、深夜までの記録、申請のない残業。
集計はシステムの仕事です。残っているのは確認と、本人への連絡です。ここはAIで軽くできます。
本記事は勤怠管理サービスの提供元による公式情報ではありません。機能や仕様については提供元の公式サイトでご確認ください。また、労働時間の取り扱いについては、社会保険労務士など専門家にご確認ください。ここでは、勤怠をシステムで管理している会社の進め方について書いています。
締め日に何をしているか
| 作業 | 時間がかかる理由 |
|---|---|
| 打刻漏れを探す | 一覧を目で追っている |
| 本人に連絡する | 一人ずつ文面を書いている |
| 申請の内容を確かめる | 理由の書き方がばらばら |
| 例外的な勤務を判断する | 過去にどう扱ったか思い出せない |
1つ目はシステムの機能で片づくことが多く、実際に時間がかかっているのは2つ目以降です。
本人への連絡文を、まとめて作る
打刻漏れの連絡は、内容はほぼ同じなのに、一人ずつ書いています。日付と種類が違うだけです。
勤怠の修正をお願いする連絡文を作ります。 【内容】 (社員名は伏せ、日付と不足している内容だけを一覧で貼る) ・1件ずつ、短い連絡文にしてください ・何日の、何が足りないかを最初に書いてください ・いつまでに対応してほしいかを入れてください ・責める書き方にしないでください 一覧にない日付を足さないでください。
「責める書き方にしない」を入れるのが要点です。打刻漏れの連絡は、繰り返されるほど言い方がきつくなりがちです。文面を機械に作らせることで、そこが一定に保たれます。
申請理由の書き方を決める
残業や休日出勤の申請理由が「業務都合」「対応のため」だけだと、承認する側は判断できません。結局、口頭で確認することになります。
過去の申請理由をAIに渡して、「書き方のパターンを分類し、承認する人が判断できないものを挙げてください」と頼みます。出てきた分類から、書く項目を決めてしまいます。
「〔何の作業〕を〔なぜその日に〕〔どれくらい〕」の3点が入っていれば、たいていの場合は足ります。この形を申請画面の説明に書いておけば、確認の往復が減ります。
勤怠の傾向を読む
毎月の集計は出ていても、「なぜその月だけ増えたか」はシステムが教えてくれません。
申請理由の文章(社員名と部署を伏せたもの)を数か月分まとめてAIに渡し、「繰り返し出てくる理由を挙げてください」と頼みます。特定の業務、特定の時期に偏っていることが見えてきます。
見えたあとにどうするかは、人が決めることです。人を増やすのか、業務の進め方を変えるのか、その月だけの事情なのか。AIは材料を並べるところまでです。
労働時間の判断はAIに任せない
この時間は労働時間に当たるか、休憩をどう扱うか、割増の計算をどうするか。これらをAIに判断させないでください。
法令と、自社の就業規則と、労使の取り決めの3つが関わります。AIが出した答えは、どの前提で書かれたものか分かりません。過去の裁判例を引いてくることもありますが、自社の事情が同じとは限りません。
判断が要る場面では、顧問の社会保険労務士に確認してください。AIに任せてよいのは、すでに決まっている扱いを、分かりやすく書き直す作業までです。
締めの連絡を、読まれる形にする
毎月同じ締め日の連絡を出しているのに、対応しない人がいます。読まれていないか、自分に関係すると思われていないかのどちらかです。
連絡文をAIに渡して、「最初の一行で、誰が何をいつまでにやるかが分かる形に直してください」と頼みます。経緯や背景は後ろに回します。
さらに、対応が必要ない人には「対応不要」と書いてください。全員が最後まで読んで確かめる手間がなくなります。
例外的な勤務の扱いを残しておく
出張中の移動時間、研修の日、災害で出社できなかった日。こうした例外は、そのつど判断して処理されますが、記録が残りません。次に同じことが起きたとき、また一から考えます。
判断した内容を、そのつど一行で残してください。溜まってきたらAIに渡して、「似た事例をまとめてください」と頼めば、自社の扱いの一覧になります。
この一覧は社内の記録であって、規程ではありません。正式な扱いとして定めるなら、専門家に確認したうえで規程に反映してください。
勤怠のデータを外部のAIに入れてよいか
- 社員名が分かる形の勤怠データは渡さない。誰がいつ働いたかは、扱いに注意が要る情報です
- 入力した内容が学習に使われない設定になっているか(利用規約とデータの取り扱いに関する記載を確認する)
- 体調や家庭の事情が書かれた申請理由は渡さない
- 会社として外部のAIを使ってよいか、社内の取り決めを確認する
傾向を読む用途なら、社員名と部署を外しても成立します。理由の文章だけを渡せば、偏りは見えます。
システム側の機能で足りるかを先に見る
AIを足す前に、使っているサービスに同じ機能がないか確認してください。打刻漏れの自動検出、本人への通知、申請の督促、集計の出力といった仕組みが用意されていることがあります。
異常の検出と通知はサービス側の機能のほうが確実です。データが外に出ませんし、締め日を待たずに気づけます。どんな機能があるかは、提供元の公式サイトやヘルプでご確認ください。
AIを使うのは、申請理由の書き方を決める部分と、連絡文です。数字を扱う部分ではありません。
まず試すなら
過去の残業申請の理由欄を、社員名を外して渡してみてください。書き方のばらつきが出てきます。承認する側が判断できない書き方が、どれだけあったかが見えます。
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