社内の情報をまとめる場所を作った。手順書も、議事録も、決まりごとも、そこに置いている。それなのに「どこにありますか」と聞かれ続けます。
置き場所ができても、探せる形になっていないと使われません。ここはAIで直せる部分があります。
本記事は情報共有ツールの提供元による公式情報ではありません。機能や仕様については提供元の公式サイトでご確認ください。ここでは、社内の文書を一か所にまとめている会社の進め方について書いています。
書いたのに、読まれず探されない
| 起きていること | 原因 |
|---|---|
| あるのに見つからない | 探す人が使う言葉と、題名の言葉が違う |
| 古い情報が残っている | 更新する人が決まっていない |
| 同じ内容が複数ある | 探せないので、新しく書いてしまう |
| 書いた本人しか分からない | 前提が省略されている |
1つ目と3つ目はつながっています。探せないことが、重複を生みます。重複が増えると、どれが正しいか分からなくなり、さらに使われなくなります。
置き場所より先に、探し方を考える
整理というと、分類の階層を作る話になりがちです。しかし実際に探す人は、階層をたどらず検索します。
いま持っている文書の題名を一覧で書き出し、AIに渡します。
社内文書の題名の一覧です。 【題名】 (一覧を貼る) 次を出してください。 ・同じ内容を指していると思われるものをまとめてください ・題名から中身が分からないものを挙げてください ・社員が探すときに使いそうな言葉が、題名に入っていないものを挙げてください 一覧にない文書を作らないでください。
3つ目が効きます。「経費精算フロー」という題名は、「領収書」で探す人には見つかりません。題名に探す側の言葉を足すだけで、見つかるようになります。
名前の付け方を揃える
題名の付け方が人によって違うと、一覧を見たときに関係が分かりません。「〇〇について」「〇〇マニュアル」「〇〇の件」が混ざります。
形を先に決めてください。「対象+何をするか」のように単純なもので構いません。「経費精算 領収書の出し方」「入社手続き 初日の流れ」といった形です。
既存の題名をまとめてAIに渡し、決めた形に直させます。ただし実際に名前を変えるかは慎重に判断してください。他の文書からリンクされている場合、参照が切れることがあります。
手順書が更新されなくなる理由
手順書は、作った直後が最も正確で、あとは古くなっていきます。更新されないのは、誰の仕事か決まっていないからです。
仕組みで解決するなら、各文書に「最終更新日」と「この内容について聞く人」を必ず書く形にします。古いかどうかが一目で分かり、聞く先も分かります。
既存の文書に一括で足すのは手間ですが、よく使われる上位の文書だけでも効果があります。すべてを直そうとして止まるより、10本だけ直すほうが進みます。
書く人によって粒度が違う
同じ「手順書」でも、画面の操作まで書く人と、要点だけ書く人がいます。読む側は、どちらが来るか分かりません。
既存の手順書を数本AIに渡して、「書かれている細かさの違いを説明してください」と頼むと、差が言葉になります。それを見て、自社の標準を決めます。
決めたら、それを見本として新しい手順書の冒頭に示しておきます。文章で説明するより、見本を1つ置くほうが揃います。
前提が省略された文書を直す
書いた本人には当たり前のことが、読む人には分かりません。「いつもの画面から」「例の書式で」といった書き方が残ります。
文書をAIに渡して、「この会社に入ったばかりの人が読んで、分からない箇所を挙げてください」と頼みます。前提が省かれている場所が出てきます。
出てきた箇所を埋めるのは人の仕事です。AIに埋めさせないでください。省略されている前提は社内の事情なので、AIが補うと事実と違うものが入ります。
使われていない文書を見つける
文書は増える一方で、減りません。もう使われていないものが混ざっていると、探す邪魔になります。
閲覧数が見られるなら、その数字を先に見てください。数字がない場合でも、題名の一覧をAIに渡して「すでに終わった取り組みや、過去の年度を指していると思われるものを挙げてください」と頼めば、候補が出ます。
なお、消すのではなく、別の場所へ移すことをお勧めします。参照されていた場合に戻せますし、過去の経緯を追いたい場面もあります。
社内の文書を外部のAIに入れてよいか
社内の文書には、取引先との取り決め、システムの設定、人事の情報、公表前の計画が含まれます。
- 認証情報、接続先、鍵の類が書かれた文書は渡さない。手順書に混ざっていることがあります
- 入力した内容が学習に使われない設定になっているか(利用規約とデータの取り扱いに関する記載を確認する)
- 人事・評価に関する文書は渡さない
- 会社として外部のAIを使ってよいか、社内の取り決めを確認する
題名の整理だけなら、中身を渡す必要はありません。一覧だけで、重複と分かりにくさは見つかります。ここから始めるのが安全です。
システム側の機能で足りるかを先に見る
AIを足す前に、使っているツールに同じ機能がないか確認してください。全文検索、ひな形、データベースの形での一覧、更新日の表示、閲覧履歴といった仕組みが用意されていることがあります。
検索と一覧はツール側の機能のほうが確実です。常に最新の状態を見られるためです。どんな機能があるかは、提供元の公式サイトやヘルプでご確認ください。
AIを使うのは、題名の付け方を決める部分と、書かれていない前提を見つける部分です。
まず試すなら
文書の題名だけを一覧で書き出して渡してみてください。中身を渡さないので安全で、1回で終わります。重複と、探せない題名が出てきます。
手順書そのものの作り方は作業手順書をAIで作る方法、社内の決まりごとは社内ルールをAIで分かりやすくまとめる方法にまとめています。ほかの業務はどの業務からAIを使い始めるかから探せます。
社内で進めるときの順番は中小企業のためのAI活用 はじめの一歩ガイド、始める前に確かめておくことはAI活用を始める前に確認しておきたいことにまとめています。
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