お客様に出す提案資料、社内の報告資料、説明会の投影資料。作るのに半日かかっていませんか。
この作業は、中身を考える時間と、形を整える時間に分かれます。AIが効くのは後者と、前者の一部です。どこをどう任せるかを整理します。
資料作りの時間はどこに消えているか
| 工程 | かかる時間の例 | AIの向き |
|---|---|---|
| 何を伝えるか決める | 30分 | 整理を手伝わせる |
| 構成を考える | 30分 | 向いている |
| 各ページの文章を書く | 2時間 | 向いている |
| 図や表を作る | 1時間 | 案出しに使える |
| 体裁を整える | 1時間 | ツールによる |
時間が集中しているのは3番目です。ここを短くできれば、全体が変わります。
一方、1番目を飛ばすと、きれいだが何を言いたいのか分からない資料ができます。ここはAIに丸投げせず、自分で決めてください。
伝えたいことを1文にする
資料を作る前に、「この資料を見た人に、何をしてほしいのか」を1文で書いてください。
- 見積を検討してもらいたい
- 2つの案からどちらかを選んでほしい
- 今月の状況を把握してほしい
- この進め方に承認がほしい
これが決まっていないと、AIに何を頼んでも資料は良くなりません。読む人に何をしてほしいかで、載せる内容が変わります。選んでほしいなら比較表が要り、承認がほしいなら費用と期間が要ります。
構成を先に作る
提案資料の構成を考えてください。 【相手】〇〇(業種、規模、決裁する人の立場) 【目的】この資料を見た人に〇〇してもらいたい 【こちらが伝えられること】 ・(箇条書きで材料を並べる) 【制約】10ページ程度、説明は15分 条件: ・各ページの見出しと、そのページで言うことを1行で ・上に挙げた材料にないことを足さないでください
出てきた構成を見て、順番を入れ替えたり、不要なページを削ったりします。この段階で直しておくと、後の作業が無駄になりません。
構成が決まってから、ページごとに本文を書かせます。全ページ分を一度に頼むと、後半が雑になります。
スライドの文章は短くする
AIに文章を書かせると、長くなります。そのまま貼ると、文字だらけのスライドになります。
次のように条件をつけてください。
- 1ページの文字数を指定する(投影する資料なら150字以内が目安)
- 見出しは体言止めか、短い文にする
- 箇条書きは1項目1行に収める
- 話して補う部分は、資料に書かない
最後の点が重要です。投影資料と、配って読んでもらう資料は別物です。投影用に作ったものを後から送ると、説明がないため伝わりません。送る前に、話した内容を補った版を作らせてください。
図や表の案を出させる
文章で説明しにくい箇所は、図にした方が早く伝わります。ただし、どんな図にするかを考えるのに時間がかかります。
「この内容を図で説明するなら、どんな形がありますか。3案挙げてください」と頼むと、比較表、流れ図、対応表といった案が出ます。その中から選んで、自分で作ります。
なお、図を自動で作る機能を持つツールもありますが、出てきた図をそのまま使えることは多くありません。配置や文字の大きさを直す手間を考えると、案だけ出させて自分で作った方が早い場面が多くあります。
表であれば、AIに作らせてそのまま使えます。ただし表の中の数字は、自分で確認して入れてください。AIが埋めた数字は、根拠のないものが混ざります。
読む人に合わせて作り分ける
同じ内容でも、誰が読むかで必要な資料は変わります。この作り分けが、AIで楽になる部分です。
| 読む人 | 知りたいこと | 資料の重点 |
|---|---|---|
| 現場の担当者 | 何がどう変わるか | 手順、使い方 |
| 決裁する立場の人 | 費用と効果、懸念点 | 総額、期間、判断材料 |
| 経理 | いつ、いくら、どの科目か | 金額と支払時期 |
1つの資料で全員を満足させようとすると、長くなって誰にも読まれません。もとの材料は同じでよいので、出し先ごとに作り分けてください。
AIには「この資料を、〇〇の立場の人向けに書き直してください。その人が判断に使わない情報は削ってください」と頼みます。削る判断をさせるのが要点です。足すだけでは短くなりません。
できた資料を見直す
自分で作った資料は、粗が見えなくなります。ここでもAIが使えます。
- 「この資料を見た相手が、疑問に思いそうなことを挙げてください」
- 「説明が飛んでいる箇所はありますか」
- 「この資料で決められないとしたら、何が足りませんか」
3番目が有効です。資料の目的は、相手に判断してもらうことです。判断できない資料は、どれだけきれいでも作り直しになります。
出てきた指摘をすべて反映する必要はありません。相手が既に知っていることまで説明すると、資料が長くなります。
もう一つ、読み上げてみる確認も有効です。作った資料の本文を音声で読ませると、文が長すぎる箇所や、言い回しが不自然な箇所が耳で分かります。目で読んでいると気づかない部分です。
説明の時間が決まっている場合は、読み上げにかかる時間を測っておくと、当日の進行が読めます。15分の枠に対して20分かかる原稿なら、その場で削ることになります。事前に削っておく方が、話す内容の質が保てます。
資料の情報を外部のAIに入れてよいか
提案資料には、お客様の社名、こちらの価格、取引の条件が入ります。外部のサービスに渡す前に、次を確認してください。
- 入力した内容が学習に使われない設定になっているか(利用規約とデータの取り扱いに関する記載を確認する)
- お客様から受け取った資料を含む場合、その取り扱いに制限がないか
- 未公表の計画や数字を含んでいないか
構成や文章を作らせるだけなら、社名を「A社」に置き換え、金額を伏せて渡せば足ります。実際の数字は、できあがった資料に自分で入れてください。
まず試すなら
次に作る資料で、構成だけをAIに出させてみてください。本文を書かせるより先に、この工程で効果が分かります。
社外に出す書類では見積書と提案書の下書き、社内の資料では日報と週報もまとめています。表や数字を扱う作業はエクセルの作業をAIで短くする方法をご覧ください。
ここで扱っていない業務については、どの業務からAIを使い始めるかから探せます。議事録、見積書、メール、資料作成、問い合わせ対応など、作業別に分けてあります。
社内で進めるときの順番は中小企業のためのAI活用 はじめの一歩ガイド、始める前に確かめておくことはAI活用を始める前に確認しておきたいことにまとめています。
AIの使い方を学ぶ教材と業務で使えるツールをまとめて用意したい場合の選択肢として、当社ではライモBizをご案内しています。AI Labは合同会社SOL COMODAが運営する代理店で、本サービスの公式サイトではありません。

