AIを使ってみたいが、どの業務から手をつければよいか分からない。中小企業から最も多く寄せられる質問です。
選び方には基準があります。それを示したうえで、作業ごとの具体的な手順をまとめたページへご案内します。
最初に選ぶ作業の3つの条件
次の3つを満たす作業から始めると、失敗しにくくなります。
- 毎週やっている作業。月に1回の作業では、慣れる前に間が空きます
- 文章を扱う作業。書く、まとめる、整える。この3つのどれかを含むもの
- 間違えても取り返しがつく作業。社内向けの文書、自分用のメモ、下書き
3つ目が大切です。最初にお客様へ出す文書で試すと、失敗したときの影響が大きくなります。社内で完結する作業から始めてください。
作業ごとの手順
よくある業務について、それぞれ手順と注意点をまとめています。自社に近いものからご覧ください。
記録をまとめる
- 会議の録音からAIで議事録を作る手順 … 録音の扱い、指示の出し方、確認する箇所
- 日報と週報をAIで短時間で書く方法 … 内容が薄くならないための指示、週報のまとめ方
- 作業手順書をAIで作る手順と注意点 … 属人化した作業を、話してもらって手順書にする
文書を作る
- 見積書と提案書をAIで下書きする方法 … 金額の計算を任せない理由、過去の提案書の使い方
- メール返信の下書きをAIに任せる手順 … 向くメールと向かないメール、断りの文面
- 提案資料とスライドをAIで作る手順 … 構成から作る進め方、読む人に合わせた作り分け
- 求人票の文章をAIで見直す手順 … 応募者が知りたいこと、法律で制限されている表現
数字と書類を扱う
- エクセルの作業をAIで短くする方法 … 関数の作らせ方、表記ゆれの直し方
- 請求書と経費処理をAIで楽にする方法 … 領収書の読み取り、入金照合の下ごしらえ
- 契約書のチェックにAIを使うときの注意 … 条文を平易にする、見落としやすい条項
お客様とのやり取り
- 問い合わせ対応をAIで速くする方法 … 何を聞かれているかの調べ方、よくある質問の作り方
- ブログとSNSの文章をAIで書く手順 … 自社にしかない材料の探し方
業種によって向く作業が違う
どの作業が効くかは、業種によって変わります。目安を挙げます。
| 業種 | 効きやすい作業 |
|---|---|
| 建設・工事 | 作業手順書、日報、見積の文面 |
| 士業・コンサルティング | 議事録、提案資料、問い合わせ対応 |
| 小売・飲食 | 求人票、SNSの投稿、問い合わせ対応 |
| 製造 | 作業手順書、品質記録の整理 |
| 運送・物流 | 日報、問い合わせ対応 |
| 教室・サービス業 | 案内文、問い合わせ対応、SNS |
共通して効くのは、問い合わせ対応と、記録の整理です。どの業種でも発生し、文章を扱う量が多いためです。迷ったらここから始めてください。
逆に、現場作業が中心で事務作業がほとんどない場合、無理に使う必要はありません。事務を担当している人に絞って使う方が、結果が出ます。
使う前に決めておくこと
社員に使ってもらう場合は、先に線を引いておいてください。後から決めるより、始める前の方が手間がかかりません。
- 社内で生成AIを使うときのルール … 決めるべき5項目、A4一枚で始める形
- AIに任せてはいけない業務 … 人の評価、専門資格の要る判断、社外に出る数字
- AIが間違えることへの備え方 … 事実でないことを書く理由と、確認する場所
最低限、「入れてはいけない情報の一覧」と「迷ったら誰に聞くか」の2つを決めて配れば、大きな事故はかなり防げます。
広げ方と、続け方
1人で効果が出たら、同じ仕事をしている人に広げます。全社一斉に始めると、たいてい止まります。
- 社員にAIを覚えてもらう進め方 … 研修をやっても使われない理由、1人から広げる順番
- AI導入の効果をどう確かめるか … 時間で測る難しさ、使っている人への3つの質問
- AI導入がうまくいかない会社の共通点 … よくある7つの型と、止まったときのやり直し方
- AIの無料版で足りるか有料版が要るか … 確認すべきデータの扱い、必要な人数
最初の1か月の進め方
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 対象の作業を1つ決め、いまかかっている時間を記録する |
| 2週目 | その作業で、無料で使える範囲で試す |
| 3週目 | うまくいった指示文をメモに残す。合わなければ別の作業に変える |
| 4週目 | 同じ仕事をしている人に、30分一緒に試してもらう |
この1か月で、自社で効く作業と効かない作業が分かります。ツールを契約するかどうかの判断は、その後で構いません。
2週目で手応えがない場合、多くは対象にした作業が合っていません。文章を書く量が少ない作業を選んでいないか、見直してください。別の作業に変えるだけで、結果が変わることがあります。
よくある疑問
パソコンが苦手な社員でも使えますか。文字を打つのが遅い人ほど、音声入力と組み合わせると変わります。むしろ、表計算ソフトの関数を覚えるより敷居は低いところがあります。ただし最初は一緒に触る時間を取ってください。
情報が漏れませんか。入力した内容が学習に使われない設定があるかを確認し、そのうえで「入れない情報」を決めて運用してください。実務では、社名や氏名を伏せて渡すだけで、多くの用途は足ります。
社員の仕事がなくなりませんか。いまのところ、なくなるのは作業であって仕事ではありません。議事録を清書する作業は減りますが、会議で決めることや、決めたことを進めることは残ります。むしろ、人手が足りない中小企業では、手が回っていなかった仕事に時間を使えるようになる面の方が大きくなります。
どれくらいで効果が出ますか。作業によりますが、文章の下書きであれば初日から短くなります。ただし社内に定着するまでは3か月ほど見てください。
相談したい場合
自社のどの業務が向いているか、社内でどう進めるかについては、中小企業のためのAI活用 はじめの一歩ガイドとAI活用を始める前に確認しておきたいことも参考になります。
どの作業をAIに渡せて、どの作業が人に残るかを先に整理したい場合は、AIに代行させられる業務と、できない業務にまとめています。運営者が自社で毎日動かしている21の仕組みも、例として載せています。
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